大会・研究例会

2017年度 日本社会学理論学会研究例会「トランスボーダーとコスモポリタニズム」のご案内

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日時:2018年3月10日(土)14時から17時まで

場所:学習院大学目白キャンパス中央棟-405
(アクセスマップ)
(キャンパスマップ)

共通テーマ:トランスボーダーとコスモポリタニズム

報告および討論

西原和久(成城大学)
トランスナショナリズムとリージョナリズムからみたコスモポリタニズムの位置と意味
――移民・沖縄・国家、そして東アジア共同体――

本報告では、最近の報告者の関心に従って、トランスナショナリズムやリージョナリズムといった関連諸概念と対比してみたコスモポリタニズム概念の社会理論における位置と、具体的な脱国家的な未来構想におけるその戦略的な意味が検討される。そこでまずトランスナショナルな移動者・越境者の例を沖縄の人びとの中に求め、次に近年活発になってきている沖縄の自立・独立論議を取り上げ、さらにこの議論を東アジアや環太平洋の脱国家的な連携という地平で論じる。この最後の点は、もちろん東アジア共同体というリージョナルな構想と関係するが、その可能性をも含めたコスモポリタンをめぐる基本的な争点を社会理論の課題として報告で描き出してみたい。

金南咲季(大阪大学大学院)
周縁空間における日常的コスモポリタニズム
――可視化される差異とその意味づけの変容に着目して――

本報告では、コスモポリタニズムを具体的な空間と結びつけ、その萌芽的諸相を人々の日常の中に探るべく、被差別部落、コリア系外国人学校、イスラムモスク、中国帰国者、ニューカマー外国人といった「マイノリティ」が集積する多文化接触領域の10年間の変容を事例として取り上げる。具体的には、構造的な要因の下で「共に投げ込まれている」(Massey=2005)人々の接触を描き出すことを通じて、地域社会において不可視的であった差異が表出される局面や、そうした差異に対する意味付けが変容し、地域社会に新たな接触機会の創出や、認識の転換、文化の混交といった影響がもたらされるようになっていく一連の動態について論じることにしたい。

河合優子(立教大学)
交錯と共感
――「マジョリティ」の他者理解および自己変容の方法としてのコスモポリタン主義――

本発表は、日本社会において「マジョリティ」と「マイノリティ」の境界を揺さぶり、多様な人々の差異が認められると同時に社会的そして文化的平等が追求されるという意味での多文化社会構築のために、「マジョリティ」である「日本人」がどのように他者を理解しその意識を変容させていくべきなのか、という問題意識を出発点とする。その上で(1)日常における多文化共生実践のための視点としての「交錯」(河合、2016)と「多文化主義的共感(critical multicultural empathy)」(Kawai, 2017)の関連性、(2)この2つの視点と他者理解および自己変容の方法としてのコスモポリタン主義の関連性、の2点について論じてみたい。
<文献>

  • 河合優子編著(2016)『交錯する多文化社会』ナカニシヤ出版
  • Kawai, Yuko. (2017). Learning critical multicultural empathy through ethnic minorities’ media self-representation in Japan. In John Erni (Ed.), Visuality, emotions and minority culture: Feeling ethnic (pp. 131-146). Berlin Heidelberg: Springer.

討論者:鈴木弥香子(慶應義塾大学大学院)
「新しいコスモポリタニズム」の理論的潜勢力とは

近年コスモポリタニズムは再び注目を集め、様々な分野で議論されてきたが(Beck 2006; Cheah and Robbins eds., 1998; Delanty 2009; Held 2010)、日本の社会学においてはその一連の動向は等閑視されてきたと言っても過言ではない。しかし、こうした「新しい」コスモポリタニズムは、「古い」コスモポリタニズムの単なる焼き直しではなく、現代的な文脈に照らし合わせながら批判的/反省的に再構成されたものであり、現在のグローバル・多文化状況を理解するための理論的装置の一つとして一考に値するものであると言える。本報告では、多文化主義やグローバル化理論との関連を示しながら「新しいコスモポリタニズム」の射程/問題点を示した上で、各報告を踏まえ、議論をさらに深めるための論点提供を行いたい。

司会者:片桐雅隆(立正大学)、樫村愛子(愛知大学)

研究例会は、参加無料・申込不要です。当学会の会員でない方もご参加いただけます。問い合わせは、事務局(sst[@]sst-j.com([ ]を削除して下さい))までお願いします。

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