第16回大会・テーマセッション報告者募集について
本年度に開催される日本社会学理論学会第16回大会(9月4日・5日 オンライン開催)での「テーマセッション」のテーマを募集しておりましたが、1件応募があり、採択いたしました。以下のように報告者の募集を行います。
・報告希望者は氏名、所属、連絡先(メールアドレス)、報告概要(タイトル、400字程度の報告要旨)、オンライン開催に関する選択肢(*参照)を記して、6月25日金曜日(一般報告と同じ締め切り)までに、事務局宛にメール(sst [a] sst-j.com)にてお申し込み下さい。
・応募した報告希望者についてコーディネータが調整を行って、報告者・報告順を決定し、テーマセッション部会が設置されます。
・今大会のテーマセッションでは非会員の報告も可とします(大会参加費をお支払いただきます)。1部会は3~5報告によって構成されることとし、部会の報告者の半数以上が会員であることとします。
・テーマセッションの報告者として応募したが調整の結果不採択となった場合や、その部会が成立しなかった場合は、一般報告部会で報告することができます(非会員は一般報告部会に移動して報告することはできません)。
・なお、同一大会でテーマセッションと一般報告部会の両方で報告することはできません。
*なお、新型コロナウィルスの感染拡大状況によっては、本大会をオンライン開催に変更する可能性があります(変更する場合は、6月14日までに会員に告知します)。その場合、以下のA・Bのいずれも可としますので、いずれかを選んで応募書類に明記してください。
A:オンライン開催となった場合でも、報告を行う。
B:オンライン開催となった場合は、報告申込を取り下げる。
第16回大会はオンライン開催に変更となりました。
https://sst-j.com/?p=820
採択されたテーマセッションの詳細は以下のとおりです。
【テーマ】 社会学理論における「歴史」/歴史研究における社会学「理論」
【コーディネータ】 坂井晃介(東京大学)
【部会趣旨】
社会学における理論研究は、さまざまな観点から歴史現象を分析してきた。例えば近代化理論は、近代社会の複数性を明らかにするために発展プロセスの分類とその特性を精緻に記述・説明することを試みてきた。社会分業論や機能分化論はこうした営為の社会学的な起点として位置づけることができる。
その一方で、歴史研究の側でもさまざまな形で理論を活用・反省する試みがある。例えば社会科学において蓄積されてきた理論・仮説を歴史データに基づき検証するもの、あるいは特定の仮説を先取りせずより史料に潜り込み、新たな社会の一断面を経験的に際立たせ新たな理論を構築しようとするものがある。
このような社会学理論と歴史研究との多様な関わり方は、「理論」や「歴史」がそもそも何を意味するのかという論点に関わる。「理論」は経験的事実にあてがう分析ツールとしてだけでなく、既存の社会秩序を批判することに意義が求められたり、その歴史的拘束性を踏まえて理解するべきものであるとされる。他方、ジェンダーや「感情」への着目をはじめとして、「歴史」はある特定の問題関心のもとで初めて浮かび上がる対象でもある。
本テーマセッションではこうした「理論」や「歴史」そのものの多義性を踏まえつつ、(1)社会学理論における「歴史」の位置付けと(2)歴史研究における「理論」の役割の両者について理解を深める研究報告を募集する。例えば(1)は「複数の近代」論の再考や社会学理論における「歴史」像の反省が、(2)は質的・量的な歴史研究における「理論」導入の実例やその意義・限界の提示などが想定される。(1)を軸としつつ(2)との相互作用を期待することで、社会科学における「理論」と「歴史」の関係を多面的に検討することが目指される。そのため社会学分野にとどまらず、政治学や歴史学、科学哲学などの視座から「歴史」と「理論」の関係を考察する報告も歓迎する。