中西眞知子会員(中京大学)より、スコット・ラッシュ教授の来日時に研究会を開催するとのご案内をいただきましたので、会員のみなさまにお知らせいたします。
———-(2018/6/15追記)———-
スコット・ラッシュ教授の来日について、立命館大学(京都)での研究会情報もお寄せいただきました。
第7回動態論的メディア研究会
Scott Lash
“New Economies of Signs and Space
: Infrastructures of Digital Capitalism”
6月22日(金)16:00から
立命館大学衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館1Fカンファレンスルーム
詳細はこちらをご覧ください。
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1 研究会の概要
Lash, S. and Urry, J.,1994,Economies of Signs and Space, Sage (邦題『フローと再帰性の社会学――記号と空間の経済』安達智史監訳)を7人7年がかりで翻訳し、2018年4月に晃洋書房から出版しています。著者の一人であるスコット・ラッシュ教授は、この書の日本語版への序文において、2018年現在において、記号と空間の経済はより強化されていて、1994年にフローやモビリティであったものが、今やロジスティクスに置き換わっていることを示唆しています。
2018年6月のラッシュ教授の京都(22日立命館大学、ならびに23,24日龍谷大学カルチュラル・スタディーズ学会)への来日に合わせて、本学で研究会を実施いたします。ラッシュ教授には「フローからインフラとロジスティクスへ」“from Flows to Infrastructure and Logistics”というテーマでお話しいただく予定です。ラッシュ教授から最新の知見についてのご教示を受けると同時に、多様な観点から議論を深めて、我が国における今後のグローバリゼーションやフローをめぐるさまざまな考え方の発展に資することができれば幸いと考えております。
たくさんのみなさまのご参加をお待ちしております。
2 研究会日時、場所
日時 2018年6月25日(月)
午後3時 研究会
午後5時 茶話会
場所 中京大学名古屋キャンパス 3号館5階 研究所会議室 0号館2階 教職員食堂
https://www.chukyo-u.ac.jp/information/access/h1.html
3 使用言語
英語
4 出席について
このテーマにご関心のある方はどなたでもご出席ください。会費は無料です。出席ご希望の方はできるだけ、6月24日までに下記にご連絡をください。場合によっては当日の出席も受けつけます。
machikon[@]mecl.chukyo-u.ac.jp 中西眞知子
(メールの送信時に[]を削除してください)
5 スコット・ラッシュ教授のプロフィール
スコット・ラッシュは、一九四五年にアメリカ合衆国シカゴに生まれた。ミシガン大学卒業後、ノースウエスタン大学で修士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で博士号を取得した。その後、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ、CCS(Centre for Cultural Studies)教授、同所長を歴任している。現在は、香港の中文大学教授、およびオックスフォード大学上級研究員である。
ラッシュは、多様な経験的知見に基づきながら、現代の経済、社会、文化の理解を可能にするポスト近代の社会理論の構築をおこなってきた。一九八〇年代には、The Militant Worker: Class and Radicalism in France and America, London: Heinenmann Educational(1984)や、アーリとの共著であるThe End of Organized Capitalism, Cambridge: Polity(1987)を通じて、ポスト・マルクス主義の社会・経済理論を展開した。
一九九〇年代以降は、Sociology of Postmodernism, London: Routledge(1990)(=田中義久監訳『ポスト・モダニティの社会学』法政大学出版局、一九九七年)を皮切りに、Economies of Signs and Space, London: Sage(1994) (=安達智史監訳『フローと再帰性の社会学――記号と空間の経済』晃洋書房2018年)やウルリッヒ・ベック(Ulrich Beck)やアンソニー・ギデンズ(Anthony Giddens)との共著Reflexive Modernization: Politics, Tradition and Aesthetics in the Modern Social Order, Cambridge: Polity(1994)(=松尾精文・小幡正敏・吐堂隆三訳『再帰的近代化―近現代における政治、伝統美的原理』而立書房、一九九七年)において、日本でもよく知られた「再帰的近代化」論争をおこなった。
さらに、Critique of Information, London: London: Sage(2002)(=相田敏彦訳『情報批判理論―情報社会における批判理論は可能か』NTT出版、二〇〇六年)では、高度に情報化され、メディアによる媒介が不可避となった現代社会における、「批判」という営みの限界と可能性を論じている。以降は、特に文化のグローバル化に関心を集中させており、セリア・ラリー(Celia Lury)との共著Global Culture Industry: The Mediation of Things, Cambridge: Polity(2007)、マイク・フェザーストーン(Mike Featherstone)およびブライアン・ターナー(Brian Turner)との共著 Culture and Social Theory, London: Sage(2012)、またIntensive Culture: Social Theory, Religion and Contemporary Capitalism, London: Sage(2010)やEmergent Globalization, Cambridge: Polity(2014)といった著作を発表している。
とりわけ近年は、中国や台湾といった東アジア圏に目を向けており、マイケル・キース(Michael Keith)、ヤーコプ・アーノルディ(Jakob Arnoldi)、タイラー・ロッカ―(Tyler Rooker)とともに、China Constructing Capitalism: Economic Life and Urban Change, London: Routledge(2013)を発表している。近いうちに、Experience: New Foundations for the Human Sciences, Cambridge: Polity(2018)が出版される予定である。