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第15回大会「テーマセッション」報告者募集について

第15回大会「テーマセッション」報告者募集について

 第15回大会(9月5・6日、ノートルダム清心女子大学)における「テーマセッション」について、4月15日を締め切りにテーマを募集しておりましたが、1件の応募があり、理事会にて採択されました。以下のように報告者を募集いたします。

・報告希望者は、セッション名、氏名、所属、連絡先(メールアドレス)、報告概要(タイトル、400字程度の報告要旨)、オンライン開催に関する選択肢(*参照)を記して、6月15日(自由報告部会と同じ締め切り)までにメールにて事務局宛にお申し込み下さい。
・応募した報告希望者についてコーディネータが調整を行って、報告者・報告順を決定し、テーマセッション部会が設置されます。
・今大会のテーマセッションでは非会員の報告も可とします(大会参加費をお支払いただきます)。1部会は3~5報告によって構成されることとし、部会の報告者の半数以上が会員であることとします。
・テーマセッションの報告者として応募したが調整の結果不採択となった場合や、その部会が成立しなかった場合は、自由報告部会で報告することができます(非会員は自由報告部会に移動して報告することはできません)。
・なお、同一大会でテーマセッションと自由報告部会の両方で報告することはできません。

*なお、新型コロナウィルスの感染拡大状況によっては、本大会をオンライン開催に変更する可能性があります(変更する場合は、7月5日までに会員に告知します)。その場合、以下のA・Bのいずれも可としますので、いずれかを選んで応募書類に明記してください。
A:オンライン開催となった場合でも、報告を行う。
B:オンライン開催となった場合は、報告申込を取り下げる。

 採択されたテーマセッションの詳細は以下のとおりです。

【1】《ポストヒューマン》と人間論
コーディネータ:梅田拓也(日本学術振興会/東京大学大学院)
部会趣旨:近年、「ポストヒューマン(Posthuman)」という概念に注目が集まっている。もともとこの言葉はSF作品や未来学や現代芸術などで提起されたものであった。だが近年、N. K. ヘイルズの『私たちはいかにしてポストヒューマンとなったか』(1999)や、R. ブライドッティの『ポストヒューマン』(2013)など、哲学や批評理論や社会理論などの領域でこの概念をめぐる議論が重ねられている。
 「ポストヒューマン」とは、現在までの人間のあり方を反省的に捉え直し、未来の人間のあり方を投企的に議論するために用いられている言葉である。人間は、2度の世界大戦を経てもやむことのない暴力と破壊を経験し、「人新世」と呼ばれるほどに地球環境に回復不能なダメージを与え、自らの種としての存続を脅かすほどになっている。これらの未曽有の状況を受けて、人間という語に包摂されてこなかった動物や植物、自然環境、科学技術といったものとの関係を考慮した、新たな倫理の担い手となるような主体像を考える必要性が訴えられている。このまだ姿の見えない新しい主体につけられた当座の呼び名が「ポストヒューマン」なのである。
 他方で、「人間」概念の考究やその反省という試みそのものは、思想史の中で連綿と受け継がれてきたものでもある。近年の「ポストヒューマン」を掲げる議論は、人類学やフェミニズム、動物倫理、環境倫理、ポスト構造主義、技術哲学、メディア理論といった領域を明確に引き継いでいる。そもそも「人間」とはなにかという問い自体、古代から現代まで至る哲学上の課題であり続けてきた。これらの膨大な蓄積を、現在の「ポストヒューマン」をめぐる問いの中でどのように再評価するのかが課題となる。
 このような背景をふまえ本セッションでは、これまで哲学や批評理論や社会理論などとして蓄積されてきた「人間」概念に関する議論から、現在の「ポストヒューマン」をめぐる議論を進展させるための研究報告を募集する。